私は長年日本の学校で教員をしています。
そして教員になってから現在に至るまで
日本の学校は「息苦しい」とずっと思ってきました。
どのようなところが息苦しいと思ったのか。
・勤務時間が定められているのに、出勤時間前に校門指導が入ったり、
退勤時間が過ぎているのにクラブ活動や会議が当たり前のように入っていること
・上記の勤務時間外の「労働」に対して、残業手当が出ないこと
・「一人担任制」というシステムのもと
相性が悪い生徒と教師が嫌でも1年間ともに過ごさなければならないこと
・教員の本業は授業にもかかわらず、生徒のカウンセリング、保護者対応、業者対応、その他訳のわからない雑務などがあり、幕の内弁当状態の業務になっていること
・上記の無秩序な業務のため、本業の授業研究は休日に自宅でせざるをえないこと
・夏休み、冬休み、春休みという、名だけの休日があり、
その間に講習というものがあるが、講習を担当させられても手当がつかないこと
・訳のわからない校則があり、
その校則に違反した生徒を指導するように強制されること
まだまだ出てきそうですが、この辺で列挙をやめることにします。
さて、今回読んだこの本には、
上記の私が感じていた息苦しさと共通する内容が記されていました。
特に、学校でツーブロックの髪型が校則違反になっていることについて、
私にはその理由が全く理解できなかったことが
この本の最初で紹介されていたことが印象に残りました。
そう、教員の自分が理解できていない校則を
自分の生徒に守れと言うことは私にはできません。
「皆がやっているから」とか「決まりだから」という説明は
私が一番嫌いに思ってい言葉です。
昨年、コロナの影響で学校が2ヶ月ほど休校になったとき、
校則について全く触れることがありませんでした。
そのとき、私は久しぶりに学校の息苦しさから少し解放されていました。
この本では、日本の学校のおかしなところを
校長をしておられる工藤勇一氏が明快に言語化してくれました。
この本を読み終えて、
工藤氏のような校長が全国に少しでも増えれば
日本の学校の息苦しさが軽減し
多くの生徒と教員が救われると思いました。
なので、この本を、特に全国の学校の校長に読んでほしいと思います。
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